光誘起マイクロバブルによるマイクロスイマーの駆動シミュレーション
近年,医療やバイオテクノロジーなど様々な分野への応用を目指して,液体中を自在に移動するマイクロスイマーの開発が盛んに行われている.特に,細胞輸送や薬物伝達などへの応用が期待されており,自在駆動が可能で高機能なマイクロスイマーの開発が求められている.従来のマイクロスイマーは,磁力を用いた駆動法や化学反応由来のバブルを利用した駆動法が一般的である.しかし,これらの方法では,複数のマイクロスイマーを独立あるいは協調して操作することが困難であり,移動方向の高精度な制御が難しいといった課題がある. そこで本研究では,光誘起マイクロバブルを用いて駆動するマイクロスイマーの開発を目指している.液体中のマイクロスイマーの特定箇所にレーザー光を照射して,マイクロバブルを発生させてマランゴニ対流を誘起する.マイクロスイマーの駆動に応じてレーザー光の照射位置を変更することで,任意の軌道に沿った高精度な駆動制御が可能となる. 本研究では,マイクロスイマーの推進性能を調査するため,COMSOL Multiphysicsを用いてマイクロバブル周りの流体解析を行った.はじめに,液体中に薄板状の金属パッチとマイクロバブルを設定し,金属パッチにレーザー光を照射するモデルを構築した.解析の結果,金属パッチの発熱により温度勾配が生じ,マイクロバブル表面付近で対流が発生することを確認した.最大流速は約90 mm/sであり,流れ方向はマイクロバブル表面に沿って高温部から低温部へとなっていた. 次に,金属パッチを取り付けたマイクロスイマーを設定し,実際の液体中での駆動環境に基づいた条件でのモデル構築を行った.解析結果から,マイクロスイマーに沿って長手方向に流れが発生しており,マイクロバブル周辺の流れによってマイクロスイマーを駆動できることを確認した. その後,超高精細マイクロ3Dプリント技術である2光子マイクロ光造形法を用いて,実際にマイクロスイマーを作製した.そして,マイクロスイマーを液中に設置し,金属パッチにレーザー照射した結果,光誘起マイクロバブルによる駆動が確認できた. 今後は,COMSOL Multiphysicsを用いて,高効率な駆動が可能なマイクロスイマーモデルの最適化を行う.その後,実際に最適構造のマイクロスイマーを作製し,駆動検証を行う予定である.将来的には,細胞やスフェロイド,卵子や精子などの生体試料の操作や輸送への応用を目指す.
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- COMSOL-Conference-ポスター_提出版.pptx - 0.34MB
